「改憲国民投票」への世論喚起に「待った!」

 昨今、日本の政治情勢に対して、毎日のように頭を痛めている人が少なくないのではと思われます。

 つい先日には、「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)」が大筋合意に達したなどと報じられました 1)ただしまだ批准されたわけではなく、参加国各国における審議が待っている

 また、国民の大多数が何らメリットを感じていない「マイナンバー」がなし崩しに開始されます。まもなく、私たちの手元にも番号通知が届くことでしょう 2)早速、マイナーバーがらみの詐欺事件が発生したなどと言う情報もあります

 そして、先月には、これも日本国のあり方を根底から変えてしまう、「安保法制」が違憲状態のまま強行可決されてしまいました。

 「安保法制」は「戦争法案」とも呼ばれ、全国の至る所で反対運動が起こりました。この反対運動には、「SEALDs」等の若者の運動をきっかけに、あらゆる世代、立場の人々が問題視し、反対運動の拡大につながってゆきました。

 しかし、「安保法制」が国会で審議されている時点から、どうもうっすらと違和感を覚えるようになりました。そして、その違和感は、より具体的なものになりつつあります。


 どういうわけか、安保法制反対運動を繰り広げてきた人々の中に、改憲の是非を問う国民投票を実施すべきという声が上がり始めているようです。

 さんざん「(憲法)9条を壊すな」「解釈改憲絶対反対」などと叫んできた割には、自らのその叫びをある意味根底から覆すものであり、矛盾を感じています。

 「SEALDs」に至っては、「OPINION」のページで、このようなことを明言されています。

 もちろん、私たちは憲法改正それ自体を否定するつもりはありません。セクシュアル・マイノリティ、生きることの多様性など、現在、ますます多くの社会問題が浮き彫りになっています。こうした問題についての憲法の改正は、おおいに議論され、実践されるべきであると私たちは考えます。

 ここで、「こうした問題」と述べられているのは、何も安保法制がらみの問題とは限りません。しかし、なぜここで、個別問題に対応する「法律」ではなく「憲法」を変えるべきと述べられているのか、全くわかりません。ましてや、現政権や、現政権の影響が色濃く残る政権において「憲法改正」をおこなわせようとするならば、第二次世界大戦前や戦中の日本やドイツのように、国民の権利を著しく制約するものになるのは、火を見るよりも明らかです。

 私は、昨今の「改憲国民投票」への世論喚起について、二つの意味で危険性を感じています。

  1. 大勢の無関心層が投票を棄権することで、結局、改憲したい体制側に有利に働かないか?
  2. 不正選挙の心配はないか?

 まずは一番目。国会前などで精力的に活動したり、デモや抗議集会に参加している人であれば、ご自分の周囲に憲法改悪反対を唱える人が多いと思うことでしょう。

 しかし、残念ながら、相変わらずこの問題に対してまるで関心を持たない人が多いのも事実です。

 8月におこなわれた埼玉知事選挙では、国政への影響もあるといわれていたにもかかわらず、投票率は史上最低だったそうです。安保法制をきっかけに、国民の政治への関心がようやく高まってきたと思っていたのですが、ひとたびデモの外の世界を見れば、改善の余地はまだまだ大ありです。残念ながら、私の知り合いでも、最低1名は「行くのが面倒くさい」という理由で棄権した者がおりました。私は再三行くように説得しましたが、本人にはまるでその気がない様子。こういう人を覚醒させるにはどうしたらいいんでしょうかね…。

 そして二番目の懸念点。選挙のたびに「不正選挙」が叫ばれます。ネット上でも、不正選挙に荷担させられていた人の話が出てくる一方で、リベラル派の人の中にも、不正選挙がないと言ったり、あっても局所的なものだと言ったりする人もいます。私は「不正選挙」はおこなわれていると考えています。とは言っても裏を取っているわけではないのですが、そのような話が出てきている以上、「ある」前提で考えるべきなのではと思います。

 これらの懸念点が完全に払拭されないうちは、「国民投票」なんて絶対にやらせてはいけません。

 もしかしたら、改憲すべき、もしくは改憲国民投票を実施すべきという意見を持つ人々の中にも、それらの言葉をそっくりそのまま額面通りにとらえるのではなく、別の意図を持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それならばなおさら、改憲や国民投票を推進すると取られかねない物言いは、慎むべきだと思うのです。

 国民投票はあくまで最終手段。その前に、まだできること、やらなければならないことは、いくらでもあります。最低でも、来年の参院選で、現在の野党が共闘し、勝利することは絶対に必要です。まずはそれに向けてできることを始めましょう。

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1.ただしまだ批准されたわけではなく、参加国各国における審議が待っている
2.早速、マイナーバーがらみの詐欺事件が発生したなどと言う情報もあります
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