夢を売る店

Wonder Parlour Cafe

 昨日は、東京・池袋にある本格的メイド喫茶「Wonder Parlour Cafe」の開店10周年記念日でした。

 私がそちらに足を運ぶようになってから、まだ半年少々しか経過していませんが、ヨーロピアンクラシックな雰囲気の漂う店であり、アキバの萌え文化に良くない印象を抱いている自分にとっては、まさに癒やしの空間と呼ぶべきところであります。

 さて、そんな「Wonder Parlour Cafe」さんの非公式Twitterアカウントにて、この記念すべき日に、次のようなご発言がありました

「われわれは夢を売っている。もし単に売上を上げるためだけならば,明日にでも売上を現在の何倍にもすることができる」ジョルジオ・アルマーニ ゼネラルマネジャー,ジュゼッペ・ブルゾーネ

 まさに、「Wonder Parlour Cafe」はそれを地で行って、10周年を迎えるに至ったと思います。

 そして、私はいわゆるメイド喫茶ブームが下火になってからメイド喫茶に通い始めたので、それ以前のことについては直接的には存じ上げておりませんが、現在自分が良からぬ印象を抱いている「アキバの萌え文化」を牽引してきた店舗も、かつては夢を売っていたはずです。

 さて、私は何度か、「アキバの萌え文化に良からぬ印象を抱いている」と述べておりますが、その根底には2つの思想があります。

メイドはアイドルか?

 まず、アイドル気取りな店員およびその取り巻きに対する嫌悪感。

 こちらについては、本年3月に、「女中酒場幻橙館」のメイドである桜庭にいなさんが、「メイドはアイドルでも何でもなく、喫茶店の店員だ」と、簡潔・明瞭に述べられています。

でもさ、メイドは使用人なんだよ アイドルでも何でもないんだよ 喫茶店の店員なんだよ ただの店員がちやほやされるわけないじゃん メイドも仕事が出来なきゃだめなのは当たり前

 にいなさんからそのような発言が出た背景そのものには、個人的には引っかかるものがあるのですが、発言内容そのものは、まさに自分が昨今のメイド喫茶から足を遠のかせている主たる理由の一つを代弁されているのですね。

 しかし世の中わからないもので、その手の連中をちやほやする(自称)ご主人様はかなりの大多数います。さらに困ったことに、メイド喫茶の中にはメイドのアイドル化をむしろ推し進めようとしているところすらあります。

 店舗としてはそっちの方が売り上げにつながるから、アイドル活動を進めたり、特定のメイドを特別扱いして、ホールでのアイドル活動を許可したりしているのでしょうが、そこには、もはや「夢を売る店」としての気概を感じることはできません。アイドル気取りの店員に上から目線で「夢」を売りつけられても、それは粗悪品でしかない。

 そんなノリでもついてきてくれる自称ご主人様だけを相手にしたければ、完全会員制にして、一等地から離れたところでクローズドな店舗運営をすればいいと思います。

メイドと客の距離感は適切に。

 そしてもう一つ。今年の4月まで「秋葉原アニソンDJ BAR あるけみすと」のスタッフだったえりぃさん、かつてはメイドのアルバイトもされていて、またご自身も秋葉原のメイド喫茶に通うことが少なくなかったこともあり、一昨年夏に次のような発言をされています

推しのこと1番知ってますみたいな顔して他の客見下すご主ってメイドからしたら厄介でしかないし正直気持ち悪いと思う メイドさんとのお喋りやお店の雰囲気を素直に楽しんでくれてマナーの良いご主が神ご主 いくらお金使ったかとか関係ない

 それを受けて、私も次のようにコメントさせていただきました

メイド喫茶の常連を自認する人々には、すべからくさっきのリツイートを読んで自戒してほしい。店や他の客に迷惑をかけていないかどうか。私ですら時々やっちまったと思う事があるわけだし。常連でない客は、常連客の態度も見て店のレベルを判断します。それをお忘れなきよう。

 これらそのものは、昨今の萌え文化に対する嫌悪感と言うよりは、自分がメイド喫茶に通うときに念頭に置いている考え方なのですが、今でもそっくりそのまま通用する考え方ですね(それが良いのかどうかは別にして)。

 一昨年夏、これらの考えを元に、自分なりにメイド喫茶の店員との関係につて考察してみました。確かに、店員と客が親密になりすぎるというのもいろいろと考え物ではあります。店員と客との距離を取り間違えたときに、まさに「お帰りくださいませ、ご主人様。」と言われても仕方のない状況に陥ること、少なからずありますね。こちらについては、私自身も全く心当たりがないわけではなく、反省しなければならない点はいくつもありますが…。

 実際に、メイドと客の距離感を取り間違えたことにより、当該メイドが解雇や業界引退に追い込まれてしまったという例はいくつもあるようです。しかも、そのうちの一例については、自分の身近で実際に起きています。それだけに、私なども、店員との距離感についてはそれまで以上に意識しなければならなくなりました。

 しかし残念ながら、メイド喫茶の中には、客の側に問題となる言動があっても、当事者を出入禁止にするわけでも、改善を促すわけでもなく、単に放置しているだけのところもあるようです。もちろんそんなことをされて店の雰囲気が良くなるはずはなく、そういうところにお金を払いたくないという感情すら芽生えてきます。

最後に

 「夢」などどうでも良く、単に飲食や休憩のみが必要なのであれば、絶対にメイド喫茶等のコンセプトカフェではなく、普通の飲食店や喫茶店に行くほうが遙かに安上がりです。しかし、「夢を買う人」は、それを承知の上でそうしようとしているわけです。

 「夢を売る店」という自覚があるのであれば、「夢」の価値を下げる要因は、可能な限り除去すべきなのではと思いますね。

 個人的にはあんまりいい印象がないのですが、千葉県浦安市にある某巨大娯楽施設群は、「夢を売る」ことを極限まで追究した例だと思います。さすがにあそこまでやれとは言いませんし、そんなことをしようとするとかかるコストも膨大なものになってしまうのでしょうが、それでも、「夢を売る店」という自覚のある店舗は、もう少し、「商品」としての「夢」の価値について、神経質になってもいいのではないかと思いますね。

 それでは、私もこれから「夢」を買いに行くことにします。

公式サイト
Wonder Parlour Cafe
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